山形交響楽団創立50周年おめでとうございます

仙台フィルハーモニークラブ
会長 長島榮一

2022年7月23日(日)やまぎん県民ホールにて仙台フィルとの合同演奏でブルックナーの交響曲第8番を聴き、忘れ得ぬ感動をいただき心より感謝申し上げます。

1972年に東北初のプロ・オーケストラとして誕生して以来、音楽ホールとしてテルサホールを拠点としながら、今回のような大編成のオーケストラでのコンサートは隣接するやまぎん県民ホールを使用できるホール環境や、ベートーベン、モーツァルトの交響曲全集を収録するなど、聴衆から見ると一歩先んじた活動を担っているように見えます。

本日の演奏でも飯森マエストロの真摯な指揮もさることながら、フルート、オーボエ、ホルン、クラリネットなど若い首席奏者の堂々とした演奏やベテランのティンパニ、ファゴット、トランペットのしっかりした演奏に山形交響楽団の新たな世界を感じました。それに加え仙台フィルの奏者たちの力演に感嘆の心しかありませんでした。聴衆はステージにのる演奏者と違い、コンサート会場を訪ねるのに様々な事情を抱え、乗り越えていきます。仕事、家庭、健康、経済力、プログラムの好み… 、これらを過去の忘れ得ぬ感動を力にしてコンサートホールを訪ねるのです。まさにそのような演奏となりました。一つのオーケストラにエキストラを加えたブルックナーの交響曲第8番とは全く違ったように聴こえました。二つのオーケストラがそれぞれ信じるポリシーが競うように支えあうような演奏でした。

第3楽章の弦楽器群の響きあたりから、心の重さが取れ肩にかけて炭酸の気泡が沸き上がるような演奏でした。第4楽章では別の世界におりました。明日からも日常が送れる、何が起きても生きて行けると信じさせる演奏でした。オーケストラを聴いてよかった。山響と仙台フィルの演奏でよかったと思えるコンサートでした。

これからも兄弟分のそしてフレンドリーなオーケストラとしてともに歩んでほしいと思います。

二つのオーケストラの聴衆がしっかりとした基層になって、街の音楽文化を支え、それぞれの生き方にも彩を添えるようなオーケストラ音楽とのお付き合いをしたいものです。まさにオーケストラはまちの宝物となりますように。

Top